ジョイントベンチャーとは、強力なマーケティング戦略の一つで、『戦略的提携』のことです。
この戦略であなたのビジネスは、早いスピードで、効率的に、しかもお金もかからず、ローリスクで拡大します。
がんばっても既存のビジネスではなかなか成果が挙がらず、悩みを抱えているあなた。
そんな魔法のような戦略があるのか?と思うでしょう。
ジョイントベンチャーはその閉塞感を打ち破り、少ない負担であなたのビジネスを強烈に推し進めます!
この脅威の戦略であるジョイントベンチャーとは、どういうものなのか?
一緒に詳しく見ていきましょう。
目次
ジョイントベンチャー(JV)とは?
ジョイントベンチャーとは、企業同士が手を組み、それぞれの特性を組み合わせて、新しい商品やサービスを生み出し、お互いが利益をシェアするマーケティング戦略です。
例えば、A社という美味しいパンを作れる会社があります。新商品としてチョコパンを作りたいと考えていますが、美味しいチョコを作れる技術が不足しています。
一方でB社という美味しいパンを作れる技術が不足していますが、美味しいチョコを作れる技術を持っている会社があります。
A社とB社、それぞれの技術を組み合わせると、美味しいチョコパンが作り出せますよね。
このように、お互いの強みを掛け合わせることによって、新しい価値を生み出す『戦略的提携』がジョイントベンチャーです。
ジョイントベンチャーの基本的な定義
ジョイントベンチャーについて調べると、以下の内容が出てきます。
ジョイントベンチャーとは、複数の企業・組織が互いに出資し、新しい会社を立ち上げて事業を行うことです。合弁企業(事業)、共同企業体などということもあります。それぞれの会社の強みを活かすことで、単独では実行が難しい大規模な事業を行うことが可能となります。 ※エリートネットワーク/ビジネス用語集より引用
複数の企業が出資し、新しい会社を立ち上げると定義されることが多いです。
しかし、マーケティング戦略におけるジョイントベンチャーとは、必ずしも共同出資して新会社を立ち上げる必要はないのですね。
むしろそのようなリスクを無くし、お互いの強みで弱みを補い合い、圧倒的なスピードで市場に浸透できる、これからの時代の新しいビジネス戦略…
それがジョイントベンチャーです!
ジョイントベンチャーによる3つのメリット
ジョイントベンチャーには大きく3つのメリットがあります。
ジョイントベンチャーは新会社設立や新事業設立などに掛かる、「資金」「労力」「人材育成」といったリスクを少なく、「時間を短縮」してビジネスを発展できます。
資源の共有とリスク分散
商品を持っているが、顧客リストを持っていない会社。
顧客リストを持っているが、商品を持っていない会社。
この2つの会社が手を組めば、
お互いが商品と顧客リストを共有し、商品開発や、顧客を集客するための労力。
そういったリスクを分散することができます。
新しい市場や技術へのアクセス
未開拓の市場へ自社の商品を販売したい。
自社の商品に新しい技術を取り入れたい。
そう考えるのであれば、新規で参入したい市場を開拓し、自社で取り入れたい技術を1から開発するより、すでにそれを持っている会社と連携した方が効率的です。
提供先でも、新たな商品や、商品開発のヒントが得られ、win-winの関係になれます。
圧倒的なスピードの早さ
変化が早い現代において、中途半端な大企業はその変化に対応できません。
1から新会社や新事業を立ち上げていたのでは、会社や事業が育つ前に市況が変わってしまい、間に合わないのです。
これからは自社だけですべてをやろうとするのではなく、他社の力を活用し、時代に合った広いビジネスを展開していくことが必要です。
他の企業提携形態と比較して分かる進歩的な考え
ジョイントベンチャーは、超大手企業が単独で受注及び生産、販売を行う場合とは異なり、
複数の企業が、一つのビジネスを共有して、利益をシェアすることを目的として形成する戦略的提携です。
他の企業提携形態には以下があります。
前述したジョイントベンチャーの特性、メリットと比較してください。
いかにリスクが少なく、効率的に、スピーディーな戦略であるかがわかります。
M&A
「企業の合併・買収」のことで、2つ以上の会社がひとつになったり(合併)、ある会社 が他の会社を買ったりすること(買収)です。 つまり、企業または事業の全部、または一部の移転を伴う取引を指し、一般的には「会社もしくは経営権の取得」を意味します。
合併、買収を行うため、大規模な資本や、時間、労力が必要になります。
合弁会社
合弁会社とは、複数の企業が互いに出資し、新しい関連企業を立ち上げて事業を行います。
アライアンス
アライアンスとは、企業同士が協力し合って事業を行う経営手法を指します。企業が互いの強みを持ち寄ることで価値を生み出し、競争力を確保する経営手法です。具体的には業務提携、第三者割当増資、合弁企業の設立といったスキームで行われることが多いです。
子会社
子会社とは、「自社の意思決定機関を特定の親会社に支配されている」状態にある会社を指す言葉です。子会社の設立によって、節税効果や損益管理のしやすさのほか、経営資源の有効活用や意思決定の迅速化などのメリットを得られます。 その一方、ランニングコストや手続きの増加といったデメリットが発生します。
ジョイントベンチャーによる成功例
これから述べるのは、私がビジネスで実践した、ジョイントベンチャーの例を基にしたものです。
他社の顧客リストを活用する
自社商品の顧客層に近い属性の顧客を、多く抱えている会社へ販売アイテムとして提案し、利益をシェアします。
女性がよろこびそうな生活日用品などを、主婦層が多いコミュニティーへ販路がある会社にセット販売してもらいました。
自社は新規営業をかけることなく販路が広がり、ジョイントベンチャー先は新たな販売アイテムが手に入り、双方利益を得ることができました。
新たな商品を自社の顧客へ販売する
自社の顧客が困っている、悩み事を解決できる商品を、他から見つけ販売します。
自社の顧客で、仕事中足腰が痛くなるという悩みを抱えている人がいました。
立ち仕事をしているオペレーターの方が、長時間立って作業することが原因です。
異業種で立ち仕事に特化した、足元に敷く足腰負担軽減マットがあることを知り、それを仕入交渉し、痛みに悩んでいる既存の顧客へ提案し販売しました。
自社は商品開発することなく商品を手に入れ、ジョイントベンチャー先は、異業種への販路を得ることができました。
見逃された商品やスペースを活かし、利益を生み出す
デットストックの商品や、デットスペースを必要としている先へ提供します。
型落ちして店頭に並べられなくなった商品を安く仕入れ、職域限定で在庫処分特価として販売しました。
ジョイントベンチャー先は、売れなくなって余った商品を、お金をかけて処分することなく、利益に変えられて、自社は新たな販売商品を得られました。
取引先同士をマッチングさせ、新しい商品を生み出す
Aという強みがある取引先、Bという強みがある取引先。
双方をマッチングさせ、新しい商品の開発に繋げます。
取引のある製造企画会社で、注目を惹く新たな製品を企画したいが、
その業界内では理想の企画に必要となる素材が見つけられない会社がありました。
理想的な素材がどういうものなのかヒアリングし、既存の取引先で近い素材がないか探します。
そうした所、別分野の素材メーカーの商品で、理想の素材に近く、
その分野では定番品として流通する素材を見つけ、製造企画会社へ提案しました。
するとその素材を組み合わせ斬新な製品が企画され、市場に打ち出せました。
このように自社には商品や技術がなくても、双方をマッチングさせることで、新しい商品や価値が生み出せるのです。
ジョイントベンチャーによるデメリット
ここまでジョイントベンチャーの魅力を伝えてきました。
ですが、すべてのものが表裏一体で裏と表があるように、デメリットもあります。
以下に気を付けなければいけないデメリットも挙げていきます。
ジョイントベンチャーによる成果を出すためにも十分注意してくださいね。
競合相手とのジョイントベンチャーはできない
自社の商品やサービスが、ジョイントベンチャー相手のシェアを奪ってしまってはいけません。
どんなに面白いアイディアを思いついたとしても、誰も組んでくれなくなります。
お互いが利益を得る方法でやりましょう。
自社だけの利益を得られない
自社だけで利益を独占してはいけません。
ジョイントベンチャーは協力してくれる相手があってのものです。相手が通常利益を得る部分を奪ってしまったり、余計なコストをかけさせてはいけません。
お互いが納得できる利益配分にしましょう。
ジョイントベンチャー相手との交渉が必要
ジョイントベンチャー相手には、目的を理解してもらうための交渉が必要になります。
ジョイントベンチャーをすることの効果とメリットを、十分に理解してもらえるように説明し、必要ならばテストも重ね、双方が同じ方向を向いて目的に向かえるように取り組みましょう。
まとめ
ジョイントベンチャーは、資金力がない中小企業でも、アイディアと行動力次第で成功できる、画期的なマーケティング戦略です。
知恵を絞り、お互いの強みを掛け合わせ、弱みを補い合いましょう。
そうすることで、大企業には真似できないスピードと独創性で、今までにない新しいビジネスが生まれます。
自分がどこと組めばいいか、誰と組めばいいか。
あなたがビジネスチャンスを掴むヒントとなり、市場に新しいビジネスが生まれるきっかけになれば幸いです。
コメント