STP分析とは?マーケティングにおける重要性と個人単位でもできる具体的な実践手法

マーケティング
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おかだゆうしん

人とものを結びつける【ソリューションマッチメーカー】
「アパレル資材、産業資材から、食品、生活日用品まで」を幅広く扱う、現役の卸商社営業マンです!
「マーケティング」と「ライティング」で「ベネフィット」を伝え、必要な人に必要なものを橋渡しします。営業歴22年以上の現場で「セールス」のスキルを叩き上げてきました。
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STP分析とは、マーケティング戦略を策定する際の基本的なフレームワークで、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字3つから取った分析法のことです。

ビジネスにおいてSTP分析をやる理由は何か?

何がわかるのか?

どうやってやればいいのか?

を詳しく解説していきます。

 

STP分析の解説

 

セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の3つを分析することがなぜ重要なのか。その理由をそれぞれ見ていきます。

 

STP分析の目的と利点

STP分析することで、自社の商品やサービスがどういったポジションに立てば、ターゲットに対して有利になるのか?そのためにどう自社をブランディングしていけばいいのか?STP分析にはそういった目的があります。

なぜならポジショニングをとることで、中小企業でも大企業に勝てる、新たな市場を開拓することができるからです。

例えば30代から柔道を始めた人がいるとします。一般的には30代から始める人というと、かなり始めるのが遅いというイメージがありますよね。ですがその人でもある程度練習して知識と経験を積めば、これから始める小学生には教えることができます。このようにオリンピック選手なみの技術がなくても、立ち位置とターゲットを押えれば、有利なポジションで物事を進めることができるのです。

これをビジネスに置き換えると、大企業に真っ向勝負を挑んでも、資金力、企画力、販売力で跳ね返されるのは明白ですが、中小企業でもSTP分析を行ったポジショニング次第で、大企業にはできないニッチな市場の新たな開拓をすることができるのです。

 

セグメンテーション(Segmentation)

 

セグメントとは、細分化し属性分けすることをいいます。マーケティングにおけるセグメンテーションとは、顧客や市場をあらゆる分野で細分化し、表にまとめ可視化することです。

 

・市場セグメントの特定方法

 

セグメントを特定するには市場を観察します。観察することでわかることは、どういった顧客がいるのかとその特性。また市場にはどういった競合がいるのかと、その特性を知ることができます。

観察方法は実店舗ビジネスなら来店する顧客の観察。ヒアリングやアンケート。競合の店舗に行ってみて観察したり、実際に商品を購入したり、サービスを受けることも効率的です。

Wedでも観察することができます。SNSやネットの口コミ。yahoo知恵袋などでもどういった顧客がいるのか。どんな悩みがあるのかが特定できますね。

 

・セグメンテーションの基準(地理的、人口統計的、心理的、行動的)

 

セグメントを分ける基準を説明します。地理的、人口統計的、心理的、行動的な分野でわけます。

 

分類 説明 具体例
地理的 住んでいる場所

店舗がある場所など

地理的な特性

どこからくる顧客が多いか

立地条件内にどれくらい競合がいるかなど

人口統計的 年齢層、性別、収入、職業など、人口の形態的な特性 20代女性が多い

職業は看護師など

心理的 趣味、思考、価値観など心理的に関連した特性 趣味はサーフィン、

好きな食べ物など

行動的 人の行動パターンに関連した特性 どういう時に買うか。

買った後どうするかなど

 

ターゲティング(Targeting)

 

細分化された市場のどの部分にいる顧客をターゲットにするかを絞り込みます。そしてその顧客が何を求めているのか、どうなりたいのかをリサーチし、どのような訴求なら響くのか戦略を立てます。

 

・ターゲット市場の選定方法

 

細分化された市場のどの部分に参入するかを検討します。

・空白が多くて競合が少なく、新規参入しやすい分野はどこか

・自社のビジネスの強みを発揮できる分野はどこか

・顧客層が多い、または少ないがニッチな需要がありそうな分野はどこか

以上を考慮しながら検討します。

 

・ターゲティング戦略(集中型、差別型、無差別型)

 

ターゲティング戦略には、以下の3つのタイプの戦略を用いることが多いです。

集中型、差別型、無差別型です。それぞれの特徴を表にしました。

 

種類 説明 具体例
集中型 特定のニッチな市場に集中しシェアを獲得する

中小企業などの資金力の少ない企業でも参入しやすく

勝率が高い

おしりにきび

背中にきびなど

差別型 複数の分野に対し、それぞれのニーズに合った商品を提供する

幅広い層を獲得したい大手企業がとるやり方

同じ車メーカーでも

ファミリーカー

コンパクトカー

スポーツカーに分けるなど

無差別型 細分化せず、幅広く市場に同じ商品を提供する

資金力、販売力のある大手企業がとるやり方

ビール市場

食品市場

車市場などの大手企業

 

ポジショニング(Positioning)

 

ターゲティングした顧客に対し、自社がどういうポジションをとるかを決定します。

自社の強み、弱み、規模、サービス内容などをトータル的に見て、どこで戦えば優位にビジネスを展開していけるかどうかを決め、それを市場に共有していきます。

 

・ポジショニングマップの作成

 

X軸とY軸を十字の表にして表します。Excel、Googleスプレッドシートなど表計算ができるソフトを用いて行うと作成しやすいですね。

次にすることは、セグメントで分類した表に、顧客、競合、商品などのポジションのマッピングです。そうすることで全体が可視化され分かりやすくなり、市場を俯瞰してみることができます。

 

・効果的なポジショニング戦略の立案

 

効果的なポジション戦略を立案するには、ブランディングをすることです。なぜならブランドが構築されることで、信頼が構築され、信頼が構築されることで新規顧客獲得コストが低下し、自社の利益に繋がり、マーケティングの成果を高めることができるからです。

モーニング缶コーヒーを思い出してください。

多々ある缶コーヒーの中から、朝仕事に向かう前のやる気スイッチを押す、というコンセプトでブランディングした缶コーヒーは「朝のコーヒーといえばこれ!」というイメージが定着していますよね。

ポジショニング戦略にはブランディングが大切であり、ブランドとは「○○といえは△△△」というように、そのままイメージに繋がります。

 

STP分析の実践例と成功事例 スターバックス ユニクロ

STP分析で成功している代表的な2つの例を挙げます。

 

スターバックス

 

<顧客のニーズと特性を捉えて展開した例>

 

セグメンテーション 年代・職業・性別・目的などを分類、分析
ターゲティング 都市部でゆっくりくつろぎたい人
ポジショニング 高めの値段だけど、おいしくゆったり長居できる空間

 

ユニクロ

 

<自社製品の特性から顧客をターゲティングした例>

 

セグメンテーション 高級ブランド志向のユーザーから安くてデザインにこだわらないユーザーまで
ターゲティング ベーシックなデザインでカジュアルな層
ポジショニング 企画から生産まで一貫して低価格で提供できる機能性のある洋服

 

STP分析のやり方

ここまでSTP分析について説明してきました。では実際にどうやればいいのか、一緒にやってみましょう!

 

STP分析テンプレート

 

テンプレート例を載せておきます。

X軸とY軸で表にし、それぞれのベクトルと対局的な方向に向かわせます。

 

分野を特定しセグメントを作成する

 

価格、デザイン、機能性、専門性、特性など分野を特定し、セグメントの軸に当てはめます。そして自社のビジネスがどの位置にあるのか?競合はどの位置にあるのか?

どの分類にどういった企業があるのか?またはどこに分類される顧客が多いのか?どういった属性の顧客がいるのか?を当てはめていきます。

 

ターゲティングする

 

セグメントができて、可視化されましたね。そこから読み取り、自社のビジネスがどの分野に合っていて、サービスを提供しやすいのか?顧客のニーズは何か?競合が少ない分野はどこか?を分析します。

 

狙ったターゲットに有利なポジショニングをとる

 

狙ったターゲットに対して、どこに参入するか?どういった立ち位置に立てば刺さる訴求ができるのか?また顧客ニーズを満たしてあげることができるのか?を考えます。そうすることでどこで戦うかが決まり、ポジショニングしマーケティング戦略の立案に繋げます。

 

実際のビジネスでのSTP分析の適用例

企業単位でなくてもSTP分析によるマーケティング戦略は有効です。

これは私が実際に行った例です。

ある顧客が材料を手配し、海外の工場へ輸出し生産する仕事をしていました。材料の手配ですら手間がかかるのに、そこから輸出の手配となるとかなり面倒くさく、億劫になっている顧客です。聞けば他の顧客でも、輸出の必要書類作成までやってくれる業者がなく、仕様書一つで全て作成してくれる先があれば助かるという情報をキャッチしました。そこで私は仕様書一つで資材の調達から輸出の書類作成、輸出する港までの梱包出荷までを請け負うことにしました。

 

セグメンテーション 海外生産工場、資材調達、国内、現地
ターゲティング 資材手配、輸出手配に困っている顧客
ポジショニング 資材から輸出まで一括してハンドリングしてあげる

 

このようにして、隙間を捉え、一定の売上を作ることができました。

既存の顧客をセグメントで分類し、困りごとを抱えている顧客に気づいてターゲティングする。その困りごとを一括手配して、解決してあげるポジショニングをとって成功した一例です。

STP分析は企業単位、一営業マン単位でも、自身のビジネスを活かせるマーケティングに欠かせない戦略です。

 

まとめ

 

「STP分析とはなにか」

「STP分析のやり方」

「STP分析の目的と利点」

「なぜ成功しているビジネスはSTP分析を行っているのか。」

「実際に使われているSTP分析の具体例」

をまとめました。

マーケティング戦略における、ブランディングに繋がるSTP分析の理解に繋がれば幸いです。

 

 

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